飲食店の税務

月別アーカイブ: 1月 2013

新年明けましておめでとうございます。皆さん新しい年を迎え、

心も新たに心機一転、一年の計を立てている方も多いのではないでしょうか。

 

それにしても昨年も色々な出来事がありました。

 

中でも、世界の主要各国の政治の舞台で

大きな動きがあったことが印象に残っています。

 

アメリカの大統領選でオバマ氏が勝利を収めたことは

記憶に新しいかも知れませんが、

ロシアでは3度目のプーチン政権が誕生し、

韓国では女性として初めて朴氏が大統領に就任することになりました。

 

フランスでも大統領選挙がおこなわれ、

17年ぶりに社会党のオランド氏が選出されています。

 

また、最近何かと話題の多い中国でも

10年ぶりに胡氏から習氏へと国家主席が代わっています。

 

この他にもエジプト、メキシコ、インド、台湾、フィンランドなどで

その国のトップを選ぶための選挙が行われました。

 

これだけの国で同じ年にトップが変わる

(オバマ政権は2期目になりますが)ということは、

そうそうないことだと思います。

 

まるで昨年から今年にかけて、

新しい時代の幕が上がったかのような感覚すら覚えます。

 

年末に出回っていたマヤ文明の人類滅亡説も

何とか乗り越えられた訳ですし、

これからは明るい未来が待ち受けているはずです。

 

日本の政権交代

 このような世界的な動きの中で、

日本でも昨年末の総選挙で民主党から自民党へ政権交代が行われ、

安倍総理が誕生したことはご承知のとおりです。

 

経済の再生に力点を置き、大規模な補正予算を組むと同時に、

大幅な金融緩和によるデフレ脱却・円高是正を目標に掲げています。

 

産業界からは大きな期待が寄せられる一方、

財政赤字の拡大や金利上昇といった副作用による悪影響も懸念されています。

 

一般的に、物価が上昇してから賃金が上がるまでには、

しばらくのタイムラグがあるため、

その間給与所得者の生活が厳しくなることも予想されます。

 

果たして、今回の政策が吉とでるのか凶と出るのか、

その効果を見極めるにはしばらく時間がかかりそうです。

 

政権交代と税制改正

例年だと夏場以降、

関係省庁や各業界団体から税制改正に関する要望が挙げられ、

12月中には、与党税制調査会で税制改正に関する大綱がまとめられます。

 

以前の自民党政権の時代には、与党内で決定された税制改正大綱が、

そのまま国会審議を経て可決されるというケースがほとんどでした。

 

それが民主党政権に代わってから、ねじれ国会などの影響もあり、

与党内でとりまとめた税制改正大綱も国会で大幅に修正される

という状況が生じるようになってしまいました。

 

そして、そのような状況が、実務の現場で大きな混乱を生じさせました。

 

国会に提示された税制改正法案の中には何ら修正なく可決されたものもあれば、

廃案になったものもあり、

中には一部修正のうえ再度国会審議で可決されたものもある

という混沌とした状況になってしまったからです。

 

税制改正は毎年行われていて、

私たち専門家でも完全に抑えることは難しいのに、

このような紆余曲折を経ていては、

世間の人には何が何だか分からないだろうという気がします。

 

更に今年に関しては、総選挙が12月に行われたことで、

年が明け正月休みも終わった今でもまだ税制改正大綱が発表されていません。

 

1月中旬には自民党から発表される予定のようですが、

その後の国会審議も、ねじれ国会が解消されていない現状では

どのように進むのか先が見えず、

民主党政権時代以上に不透明な状況と言えるかも知れません。

 

税制改正の展望

今後の日本の税制はどのようになっていくのでしょうか。

 

私見も踏まえたお話になってしまいますが、

税目別に見ていきましょう。

 

まず法人税です。

 

法人税の税率は国際的に引下げの方向で動いているので、

25年改正に反映されるかどうかは分かりませんが、

日本も数年内には引き下げられる可能性が高いでしょう。

 

ただし、法人税率を引き下げるということは

国の税収が減少するということになるので、

何らかの形でその穴埋めをしなければなりません。

 

もちろん無駄な支出を削減するということも考えられますが、

他の税目(消費税・所得税・相続税)で

増税し税収の確保を図ろうと考えられています。

 

消費税については、来年4月から8%、

再来年10月から10%というのが既定路線です。

 

安倍首相は、消費税の取り扱いについて

曖昧な発言を繰り返しているため、

増税時期が先送りになることはあるかも知れませんが、

間違いなく消費税率はアップします。

 

近い将来10%代後半になる可能性も充分考えておいた方がいいでしょう。

 

所得税については、専業主婦に対する優遇措置である配偶者控除の廃止が

数年前から取り上げられています。

 

ただし、憲法で定められている生存権との絡みもあり

簡単に結論は出ないかもしれません。

 

また、富裕層に対する最高税率の引き上げなども検討されているようです。

 

ところで、これは既に確定している事項ですが、

東日本大震災からの復興財源として平成25年1月から25年間に渡り、

2.1%の復興特別所得税が課税されます。

 

復興財源確保のためとは言え25年間という期間は

臨時増税というにはあまりに長い期間です。

 

先頃、新聞報道等で取り上げられていましたが、

このように国民に大きな負担を担わせておきながら、

復興予算の使途には活力ある日本再生という復興基本法の目的を拡大解釈し、

全国各地の税務署の耐震工事やレアアース鉱山の買収、

調査捕鯨の費用などにも使われていることが判明し問題視されていました。

 

その後、責任の所在も曖昧なまま議論は

尻すぼみに終わってしまったような感じがしますが、

やはり官僚組織にコスト意識はないのかと呆れさせる出来事でした。

 

相続税についての増税も数年前から議論されています。

 

基礎控除の引き下げと税率の引き上げが検討されています。

 

結果的に廃案になってしまいましたが、

昨年の改正案の中に基礎控除の引き下げが謳われていました。

 

例えば夫婦子供2人の4人家族で旦那さんが亡くなった場合、

今までは相続財産が8千万円までは相続税がかからなかったのに、

今後は4千8百万円を超えると相続税が課税されるようになるというものです。

 

4千8百万円というと大金だという感じがするかもしれませんが、

祖父母の代から所有している都内の戸建て住宅がある様な人で、

その他に生命保険会社から死亡保険金の支払いがあったりすると

それだけで相続税がかかってくる可能性があるのです。

 

配偶者の相続財産には相続税を課税しない特例や、

居住用の住宅の土地の評価額を80%減額できる特例などがあるので、

実際に相続税を納税する人はそれ程多くないと思います。

 

ただし、これらの特例は相続税の申告をすることが要件となっていますので、

実務的に対応できるのかどうかも懸念されるところです。

 

平成24年分所得税の改正事項

最後に、所得税の確定申告の時期が迫っているということで、

今回申告する平成24年分所得税の確定申告で

去年と変わったところを挙げておきます。

 

不動産所得・事業所得の関係では、

一定の太陽光発電装置を取得した場合、

取得から1年以内に事業の用に供すると即時償却ができることになりました。

 

また、試験研究費の税額控除制度や取得価額30万円未満の

少額減価償却資産の損金算入制度は適用期限が延長されています。

 

その他、定率法による減価償却計算を行っている場合には、

償却率が変更になっているので注意してください。

 

譲渡所得関係では、居住用財産の買換え・交換や事業用資産の

買換えの場合の特例に変更が加えられ、要件が厳しくなっています。

 

ほとんどの人には関係ない話だと思いますが、

これらの特例の適用を検討されている方はご注意ください。

 

その他のところでは、生命保険料控除の内容が変更され、

新しく介護医療保険料控除の枠が設けられています。

 

次回は、確定申告直前の2月になりますので、

皆さんが知って得する所得税に関する情報を

もう少し詳しくお話しさせていただきたいと思います。

 

税理士 荻原岳志

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